クレイジー・ピープル・ミュージック/ブランフォード・マルサリス -1990年代
レギュラー・カルテットによる久々のスタジオ録音。ベーシストはたびたびチェンジしたが、ブランフォード、カークランド、ワッツの3人は’鉄壁’と呼ぶに値する結束の固さだった。カークランドが世を去るまでは…。
アーティスト:ブランフォード・マルサリス(TS,SS) ケニー・カークランド(P) ボブ・ハースト(B) ジェフ・ワッツ(DS)
収録曲:
レギュラー・カルテットによる久々のスタジオ録音。ベーシストはたびたびチェンジしたが、ブランフォード、カークランド、ワッツの3人は’鉄壁’と呼ぶに値する結束の固さだった。カークランドが世を去るまでは…。
アーティスト:ブランフォード・マルサリス(TS,SS) ケニー・カークランド(P) ボブ・ハースト(B) ジェフ・ワッツ(DS)
収録曲:
90年代初頭、メイバーンはDIWレーベルに少なからぬ録音を残したが、これもその1枚。カーター~ディジョネットという強力チームをバックに、ガンガンいくピアノは痛快そのもの。彼はもっと注目されていい人だ。
アーティスト:ハロルド・メイバーン(P) (1)~(9)ロン・カーター(B) ジャック・デジョネット(DS)
収録曲:
フェレルをはじめて聞いたのは91年のマウント・フジ。その時の衝撃は今でも忘れない。驚異的な音域と音程。それまでの女性ボーカルにはなかった新しいフィーリング。これはその彼女のスタンダード中心のデビュー作。
アーティスト:ラシェル・フェレル(vo)エディ・グリーン(p)タイロン・ブラウン(b)ダグ・ナリー(ds)テレンズ・ブランチャード(tp)アレックス・フォスター(ss)ウェイン・ショーター(ts)ミシェル・ペトルチアーニ(p)他
収録曲:
ナット・アダレイが、キャノンボールの再来と言われるビンセント・ハーリングをフィーチャーしたアルバム。ファンキーはファンキーだが、現代的なスマートさも兼ね備えている。この時代のナットを代表する作品だ。
アーティスト:ナット・アダレイ(COR) ヴィンセント・ハーリング(AS) ロブ・バーガド(P) ジェイムズ・ジナス(B) ビリー・ドラモンド(DS)
収録曲:
ブルーノートの第2作。前作がヘイデン、デジョネットという大物を迎えてのお披露目だったのに対し、本作はロバーノをはじめとする若手を配し、ジョン・スコ・ミュージックの神髄を聴かせる。神格化現象のスタート。
アーティスト:ジョン・スコフィールド(g)ジョー・ロヴァーノ(ts,acl)マーク・ジョンソン(b)ビル・スチュワート(ds)
収録曲:
60~70年代のバーツはモーダルでスピリチュアルなプレイが特徴的だったが、80年代以降は次第に表現の質が柔らかくなってきた。そんな変化は本作にも聴ける。ストレート・アヘッド・スタイルにアルトの音が活きる。
アーティスト:ゲイリー・バーツ(as)ケニー・バロン(p)レイ・ドラモンド(b)ベン・リレイ(ds)
収録曲:
80年代後半から90年代にかけてのルーニーとトーマスのコンビは本当に強力だった。本作ではそれをマクブライド&ブラックマンというフレッシュなリズム・チームが援護。静と動のコントラストはまさにマイルス譲り。
アーティスト:ウォレス・ルーニー(tp)ゲイリー・トーマス(ts,fl)ドナルド・ブラウン(p)クリスチャン・マクブライド(b)シンディ・ブラックマン(ds)
収録曲:
最近は何となく大人しいロビンも、80年代には本当にはち切れんばかりの野心に満ちていた。中でも本作は屈指の出来。ブランフォードとのコラボレーションに、この人の自由なスタンスと表現の幅広さが見て取れる。
アーティスト:ロビン・ユーバンクス(tb)ブランフォード・マルサリス(ts)グレッグ・オズビー(as)アール・ガードナー(tp)ケヴィン・ユーバンクス(g)リニー・ロスネス(p)ケニー・ワーナー(key)カサンドラ・ウィルソン,キムソン“キスム”アルバート(vo)デイヴ・ホランド,ロニー・プラキシコ(b)マーヴィン“スミティ”スミス(ds)ミノ・シネル(perc)
収録曲:
秋吉のスタイルの起点であるパウエルへのオマージュ。パウエルの愛奏曲ばかりを演奏するのはそうとう勇気のいる作業だと思うが、ここでの彼女はそんな重圧をものともせず、ビバップ・ピアノの神髄を聴かせてくれる。
アーティスト:秋吉敏子(P) (2)~(8)ジョージ・ムラツ,(1)(9)(10)レイ・ドラモンド(B) (1)(3)(6)~(10)ルイス・ナッシュ,(2)(4)(5)アル・ヘアウッド(DS)
収録曲:
90年のライブ・アンダー。我らが佐藤允彦は日本民謡を素材にワールド・ワイドなセッションを試みた。これはその時の記録。ショーターをはじめとする指折りのミュージシャンたちが佐藤の音楽の一部となる様は痛快。
アーティスト:佐藤允彦(KEY) ウェイン・ショーター,梅津和時,峰厚介(SAX) レイ・アンダーソン(TB) アレックス・アクーニャ(DS) ナナ・ヴァスコンセロス,高田みどり(PERC) 土方隆行(G) 岡沢章(B)
収録曲:
キューバからやってきた怪物ピアニストの本邦デビュー・アルバム。その超絶的な技巧とめまいすら覚えるリズム・センスは、ファンばかりかミュージシャンまでをも虜にした。本作で共演しているヘイデンもその一人だ。
アーティスト:ゴンサロ・ルバルカバ(P)チャーリー・ヘイデン(B)ポール・モチアン(DS)
収録曲:
ジョン・ファディスはガレスピーの愛弟子だけあって、音楽のはじけっぷり、陽気さも尋常ではない。その感じは本作にもよく出ている。ぶっ放されるハイノートにアフロ・キューバンなノリ。まさにガレスピーの遺産だ。
アーティスト:ジョン・ファディス(tp)リニ・ロスネス(key)ジェームス・ジーナス(p)ビリー・ドラモンド(ds)ヴィヴィアン・チェリー(vo)ディジー・ガレスピー(tp,vo)他
収録曲:
ブルックリン派のモンスター・サックス奏者、トーマスが、スタンダードに挑戦したアルバム。M-BASE一派とは文脈を異にする底の知れないスケールの大きな彼のプレイに、ハードコア・ジャズ・ファンたちは狂喜乱舞した。
アーティスト:ゲイリー・トーマス(TS,FL) ケビン・ユーバンクス(G) リニー・ロスネス(P,SYN) デイヴ・ホランド,アンソニー・コックス(B) デニス・チェンバース(DS)
収録曲:
アトランティックにおけるギャレットの第2弾。前作『プリズナー・オブ・ラブ』はこの人のポップな側面をアピールした作品だったが、これはギンギンのストレート・アヘッド路線である。図太いアルトが腹に響く。
アーティスト:ケニー・ギャレット(AS,FL,VO)マルグリュー・ミラー(P) チャーネット・モフェット,ロン・カーター(B)トニー・リーダス,エルヴィン・ジョーンズ(DS)ルディ・バード,ティト・オケイシオ,スティーヴ・ソーントン(PERC)
収録曲:
タウン・ホールにおけるスタンダーズのライブ。この頃になると彼らの音楽は、何が起こるかわからない緊張感よりも、何が起こっても揺らぐことのない調和を強く感じさせるようになってくる。質の高さは言うまでもなし。
アーティスト:キース・ジャレット(P) ゲイリー・ピーコック(B) ジャック・ディジョネット(DS)
収録曲:
RMOの第3作。戦争や差別に対する抵抗と批判を音楽のメイン・コンセプトにしているのが従来どおりなら、そのコンセプトを超えた純粋な感動を音楽が与えてくれるのも従来どおり。痛烈な響きが聴き手の胸を打つ。
アーティスト:チャリー・ヘイデン(b)カーラ・ブレイ(指揮)レイ・アンダーソン(tb)トム・ハレル(tp)ブランフォード・マルサリス,デューイ・レッドマン(ts)アミナ・マイヤーズ(p)他
収録曲:
ピーターソン、エリス、ブラウンの黄金トリオ(ホントはカルテットだが)、約30年ぶりの復活ライブである。ブランクをまったく感じさせない阿吽の呼吸は彼ら3人の信頼の証。しかしこの後ピーターソンは病に倒れる。
アーティスト:オスカー・ピーターソン(p)ハーブ・エリス(g)レイ・ブラウン(b)ボビー・ダーハム(ds)
収録曲:
90年代のマルの作品には’社会派’的様相を帯びたものが少なくないが、これはその最たる例と言えるだろう。ヨーロッパ、とりわけ東ドイツと少なからぬ因縁のある彼が、自らの音楽を通して自由の尊さを訴える。
アーティスト:マル・ウォルドン(p)パウロ・カルドーソ(b)ジョン・ベッチ(ds)
収録曲:
’美人ピアニスト’という冠に似合わずハードなピアノを弾くロスネス。このリーダー第2作でも、そんな彼女の特質はよく出ている。その一方でフェミニンな繊細さも兼ね備えているのだから、やはり大した才女ですね。
アーティスト:リニー・ロスネス(p)(1)~(7)ジョー・ヘンダーソン(ts)(2)(4)(5)(8)スティーヴ・コールマン(ss,as)アイラ・コールマン(b)ビリー・ドラモンド(ds)
収録曲:
名盤『シネ・ディエ』を発展させたコールマンのノーバス移籍第1作。定型ビートへの安易な依存に対する反逆のリズムが全編で爆発。その試みはジャズ史における大きな革命だったと思う。
アーティスト:スティーヴ・コールマン(as)ロビン・ユーバンクス(tb)デヴィッド・ギルモア(g)ジェース・ワイドマン(key)レジー・ワシントン(b)マーヴィン・スミティ・スミス(ds)デヴィッド・ホランド(b)カサンドラ・ウィルソン(vo)
収録曲:
ウィギンス~アーウィン~ケイという、ハミルトンにしては珍しいリズム・セクションをバックに配したワン・ホーン作。そのせいか、いつものスイング系よりもちょっとモダン寄りのハミルトンを聴くことができる。
アーティスト:スコット・ハミルトン(ts)ジェリー・ウィギンズ(p)デニス・アーウィン(b)コニー・ケイ(ds)
収録曲:
ジェリ・アレンは80~90年代を通してもっともクリエイティブな音楽を作ってきたピアニストの一人だ。このSomethin’else移籍第1作でもその旺盛な想像力は変わらない。この才女の前では、軟弱な男たちは吹っ飛ぶ。
アーティスト:ジェリ・アレン(p)マーカス・ベルグレイヴ(tp,flh)ケニー・ギャレット(as)ボブ・ハースト(b)ジェフ・ワッツ(ds)エリ・ファウンテン(perc)
収録曲:
サックス奏者のボブ・ベルデンのアレンジャーとしての才能にスポットを当てた作品。ギル・エバンスの影響も垣間見ることができ、スティングの原曲を生かしながらもモダンなジャズ・サウンドに仕立て上げた手腕は見事。
アーティスト:ボブ・ベルデン・アンサンブル ティム・ヘイガンス(tp)ダイアン・リーヴス,フィル・ペリー(VO) ジョン・スコフィールド,ジョン・ハート(G) リック・マーギッツァ(TS) ベニー・グリーン(P) 他
収録曲: