20世紀ジャズ名盤の全て

カーク・イン・コペンハーゲン/ローランド・カーク -ブログ


盲目の巨人、ローランド・カークの白熱ライブ盤。舞台は「ヨーロッパのブルー・ノート」と呼ばれたデンマークはコペンハーゲンのクラブ・モンマルトル。同じく盲目の巨人、ピアニストのテテ・モントリューらヨーロッパの俊英達を従えカークが吹きに吹きまくる。カークといえば複数の管楽器ー時にはゴムホースさえ用いたーを同時に口にくわえて演奏するという特異なスタイルでつと知られており、色物扱いされがちだが、本盤を聴けばカークがいかに優れたプレイヤーであるかということが一聴してわかるであろう。とりわけ’Mingus – Grif Song’における逞しいテナー・サックス・ソロは傑出しており、テナー・ソロ後のソプラノ・サックスとテナーによる「一人掛け合い」なども面白い。また、エリントン・ナンバーとして、ないしはボリス・ヴィアン原作の、近年公開された映画のタイトルとして広く認知されている’Mood Indigo’では3本のホーン楽器を同時に吹奏し、「一人オーケストラ」を演じている。まさにカークの面目躍如である。また、カークを支えるテテ以下のリズム・セクションの堅実なサポートも見逃せない。とりわけ’Mood Indigo’におけるテテのピアノ・ソロは耳がとろけてしまいそうなほど甘美で美しく、聴いていて涙せずにはいられない。1963年10月ー半ば冬に差し掛かったコペンハーゲンの夜が熱く燃えた。(Jazz Misty)

【収録曲】

01. Narrow Bolero (Roland Kirk)

02. Mingus – Grif Song (Roland Kirk)
03. The Monkey Thing (Roland Kirk)
04. Mood Indigo (Duke Ellington, Barney Bigard, Irving Mills) 
05. Cabin In The Sky (Vernon Duke (music) / John Latouche (lyrics)) 
06. On The Corner Of KIng And Scott Streets (Roland Kirk) 

【演奏者】

Roland Kirk (tenor sax, stritch, manzello, flute, siren)


Tete Montoliu (piano)


Niels Henning Orsted Pedersen or Don Moore (bass)


J.C. Moses (drums)


Sonny Boy Williamson II [as Big Skol] (harmonica) #3

 

【録音年】

1963.10

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