20世紀ジャズ名盤の全て

ジュラシック クラッシック/ジェームズ・カーター。 -1990年代

豪快に咆哮しまくるジェームズ・カーター。

凄不思議なことに、あれだけ吹きまくりの《A列車で行こう》を聴いても、ウルサイという感じは全くせず、むしろとても爽快な気分になれた。これでもか、と吹きたい放題に吹きまくる彼のブロウは、たとえば同じ長尺ソロでも、コルトレーンの「内へ内へ」と向かってゆく、ある種の息苦しさとは対極の、開けっぴろげに「外へ外へ」と向かってゆく開放感を感じたからなのかもしれない。迷いの無い彼のサックスは、突き抜けた感じがし、清々しい感じさえした。ピアノのクレイグ・ティーボーンも、破茶滅茶っぷりも爽快だ。あるときはセシル・テイラー風だったり、またあるときはマッコイ・タイナー風だったりと、先人のスタイルを自在に行き来し、荒削りながらも威勢よくはっちゃけているところに好感が持てる。ブッ飛んだカーターのテナーには、これぐらい元気なピアノじゃないと面白くない。
あのサックス相手に、大人しいピアノでは、演奏が白けてしまう。テーマのメロディは無くとも、すぐに原曲が思い浮かぶ《アウト・オブ・ノーホェア》は、元気一杯で明るく爽やかな演奏。

《エピストロフィ》、《アスク・ミー・ナウ》と、モンクの曲を2曲も取り上げているのも嬉しい。そういえば、このアルバムは選曲が良いことに気が付く。つまり、《アウト・オブ・ノーホェア》を除けば、ジャズマンが作曲したナンバーで占められているし、そのどれもが、名曲ばかりなのだ。《A列車》のビリー・ストレイホーンをはじめ、コルトレーンに、クリフォード・ブラウン、そしてロリンズの《オレオ》も取り上げられているので、彼らのファンにとっては、たまらない人選、選曲といえる。ラストの素っ頓狂な音の跳躍を見せる《オレオ》が、お下劣一歩手前のユーモアがあって楽しい。凄まじいほどのテクニックと、聴き手を爽快な気分にさせる、元気一杯なこのアルバムの頃のジェームス・カーターが私は大好きだ。

最近は、妙に落ち着いた感じがしないでもないが。

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JURASSIC CLASSICS (Diw)
– James Carter

1.Take The “A” Train
2.Out Of Nowhere
3.Epistrophy
4.Ask Me Now
5.Equinox
6.Sandu
7.Oleo

James Carter (ts,as,ss)
Claig Taborn (p)
Jaribu Shahid (b)
Tani Tabbal (ds)

1994/04/16-17

J.C.オン・ザ・セット/ジェームス・カーター -1993年

ジョシュアと並ぶサックスの逸材、カーターのリーダー・デビュー作。ものすごい技巧を駆使したフレーズをユーモアを交えて吹き散らす様は痛快そのもの。最近のジャズマンには珍しいヤバいムードも魅力だ。

 

アーティスト:ジェイムス・カーター(as,ts,bs)クレイグ・テイボーン(p)ジャリブ・シャヒド(b)タニ・タバル(ds)

 

収録曲:

01JC・オン・ザ・セット
02ベイビー・カール・ブルース
03ウォリード・アンド・ブルー
04ブルース・フォー・ア・ノウマディック・プリンセス
05キャラヴァン
06アワ・オブ・パーティング
07ルナティック
08ソフィスティケイテッド・レディ

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