ライブ・アット・バードランド/ジョン・コルトレーン -1960年代
トレーン、マッコイ、ギャリソン、エルヴィンの「黄金のカルテット」による代表的ライブ盤にして大名盤。1~3曲目が63年10月8日のNY・バードランドにおける実況録音で、4~5曲目が同じく63年の11月18日のニュージャージーでのスタジオ録音となる。やはり白眉はバードランドでの実況録音だろう。このカルテットが最も脂がのっていた時期の演奏とだけあって、かなりアツい演奏だ。冒頭の’Afro Blue’から戦場の如き凄まじい演奏が繰り広げられる。エルヴィンが汗をまき散らしながら鬼の形相で複雑極まるポリリズムを叩き出し、マッコイが鍵盤を叩きつける。ギャリソンのベースは戦車の如き重低音で迫ってくる。のたうち回るトレーン。しかしトレーンも負けじと16分音符の高速連射でリスナーを絨毯爆撃する。その勢いはバラードの’I Want to Talk About You’になっても衰えることを知らない。ブレーキの壊れた蒸気機関車の如く突進、空間を音で埋め尽くし、58年版ではなかったカデンツァにまで突入。3分近いアカペラ・ソロは圧巻である。まさにシーツ・オブ・サウンドの面目躍如。かく言う筆者もシーツ・オブ・文字で原稿を埋め尽くしたのだった。(Jazz Misty)
【収録曲】
1.Afro Blue (Mongo Santamaria)
2.I Want to Talk About You (Billy Eckstine)
3.The Promise
4.Alabama
5.Your Lady
【演奏者】
John Coltrane (ts,ss)
McCoy Tyner (pf)
Jimmy Garrison (ba)
Elvin Jones (ds)
【録音年】
1963.8,11